空気は読むもの?うつ病のとき『薔薇のない花屋』を見て、心が軽くなった話
『空気』
読めとか、読めない奴はダメだとか言われる空気。
日本で暮らしていると、空気を読むことの重要さを感じることがたくさんある。
誰かに話しかけるタイミングをはかったり、他の皆の意見を予測してから自分の意見を考えたり。
そうしないと、周りから変な奴と思われたり、場合によっては嫌われたりすることもある。
だから、その場の空気に合った行動をするために、私たちはほぼ無意識的に、毎日一生懸命空気を読んでいる。
さて、うつの病状がまあまあ落ち着いていたころの話。
当時、竹内結子さんと香取慎吾さんが主演のTVドラマ「薔薇のない花屋」が放送中でした。
その中のワンシーン。
美桜(竹内結子)とその父(尾藤イサオ)がこんな感じのやりとりをする。
・・・
~ 父が入院中の病院の屋上で ~
美桜は父がタバコを吸おうとしているのを見つけて、取り上げる。
父:「一本くらいいいじゃないか。いつからそんなに融通の利かない、かわいくない女になったんだ?」
父:「…小さい時のお前は、本当にわがままで大変だったんだ」
美桜:「ウソよ。 覚えてないと思って、(話を)作らないで」
~ 中略 ~
父:「だけど、無邪気で可愛かった。よく笑って、よく怒って泣いて、わがままだけど、本当に可愛らしかった」
美桜:「もしそうだとしても、大人になれば仕方がないわ。バカじゃないんだから。周りの空気読んで」
私の心の声(そうそう。大人になったら空気読まないわけにはいかないもん。いつだって、周りを見ながら適切な行動することが求められるんだから)
でも、ここで父親は笑ってこう答える。
父:
「ときどき息苦しくなるだろ、読んでばかりなんて。
空気なんてほら、吸うもんだ!」
うつの症状は軽くなってきても、なかなか外に出て人と会ったりすることに抵抗というか重荷感があった時期。
この言葉を聞いてなんだか、ちょっと肩の力が抜けたというか、心の重石がとれるような気がした。
たまには読むのをやめて、思い切り深呼吸しよう。